電話ネットワークに不法侵入して無償で長距離電話をかけたり電話を盗聴すること、ではありません。自由の王様、それがフリーキング。こんばんは、ヤンです。

 今日は普通に一日起こったことをクソつまらなく列挙してたはずなのですが、起こったことが悉くチンコだったので、気付いたらチンコチンコ連呼してました。
 あまりにも下品だったのでチンコということばを「フローレンス」という言葉に置換してみたのですが、どうにもしっくり来ません。しかたないから公約通り“掌編”を書いてやんよ!?

「僕の右手」

 ある朝、起きたら右手が無くなっていた。
 いつものように片手をついて体を起こそうとしたら、手首から先がなくなっていたのだ。本来なら盛大に驚きたかったのだが、なにぶん寝起きだったために驚くタイミングを逸してしまった。
 母に呼ばれ、朝食のため階下に向かう。家族の様子を伺ったが、父も母も妹も、僕のように右手をなくしてはいなかった。
「右手無くなっちゃったんだけど」
 手が無いことを隠しながら食事ができるほど器用じゃないので、正直にそう告げた。母は目を見開いて驚いた。
「大変。それじゃ、お箸が持てないじゃない」
「うん」
「ご飯が食べれなかったらパンを食べればいいじゃない」
 妹が断頭台の露となったオーストリア女みたいなことを呟く。母は妹の言葉に同意して、食パンをトースターに入れた。
「お前、その辺で見なかった?」
「見るわけないし。…あ、今朝玄関の鍵開いてたの、そのせいじゃない?」
 妹は父に話題を振る。父は神妙な顔で新聞を睨みながら、気の抜けた返事をした。
「新聞に載ってない?」
「載ってるわけないでしょ」
 妹が父に代わりに答える。ニュースに目を向けても、僕の右手は報道されていなかった。
 食事を始め、様々なことを慣れない左手でこなした。中でも、顔を洗うのには苦心した。なにせ、片手では水を汲めない。仕方ないので妹に後ろから腕を回して洗ってもらった。
「それじゃ、行ってきます」
「はい。行ってらっしゃい」
 右手が無くても学校には行かなければならない。他の人間に右手はあるのだろうか?そんなことをぼんやりと思いながら通学路を歩く。
「おはよーさん」
「ん、おはよう」
 友人といつもの場所で待ち合わせ。挨拶ついでに、右手を示す。
「お前、僕の右手見なかった?」
「こっちが訊きたいくらいだぜ」
 友人は苦笑して同様に右手を示す。僕達は並んでため息をついた。
「右手ないと不便だよね」
「いつもの癖で右手使おうとすんだけど、『あ、そういや無ェ』って気づくんだよな」
「そうそう」
「顔とかどうやって洗った?」
「妹に洗ってもらったけど、お前は?」
「俺は弟」
「いい弟さんだね」
「お前の妹こそ」
 雑談を交わしながら通い慣れた道を歩いていると、ふと見慣れないものが目に入った。カラスがなにかと戦ってるみたいだけど――
「おい、あれ……」
「うん、手だね」
 僕のものか友人のものか、どちらかは分からない。しかし目の前で『手』とカラスが交戦中なのは紛れも無い事実だ。そして、『手』の旗色が悪いことも。
 友人はカラスに駆け寄るや否や、それを蹴り飛ばした。カラスは数メートル吹っ飛ばされて、ピクリとも動かなくなった。流石はサッカー部だ。
 弱々しく痙攣する手を左手にとって友人はまじまじと観察する。そして結論を下した。
「んー、俺のじゃないっぽいな」
「んじゃ、貸して」
 自分の記憶にある右手と目前の『手』を比較する。驚くべきことに、それは僕の手である可能性が高かった。
「これ、僕のかも」
「マジか」
「うん。拳だことペンだこがある上に、昨日人差し指と中指一緒に二枚爪になったから」
「カルシウムとれよ」
 友人の言うことは聞き流して、手首の断面に『手』をあわせてみる。しかし、繋がることはなかった。
「あれ?なんでだろ?」
「繋がりたくないんじゃねーの?」
 一理ある。僕は鞄からペンを取り出して『手』に握らせ、ルーズリーフを差し出した。
「なんか文句があったら遠慮なく言ってくれ」
 『手』は僕と同じ筆跡でこう主張した。
「毎日汚いものを握らせないでください」
 つまり、そういうことだった。

 酒飲みつつ、さらに二次裏見ながら書いたら結局チンコでした。ゲロ吐いてから寝ます。
  

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